◆2000年 1月(NO.51)
 
水ぼうそう(水痘)
 毎年、冬から春頃にかけて最も多く流行する感染症です。原因の水痘帯状疱疹ウィルスは、はしかに次いで感染力が強く、患者の唾液などに含まれて接触した人に感染します。ウィルスの潜伏期間は2〜3週間で、2〜6歳くらいの人に多く見られます。ほとんどの人が一度は罹る病気ですが、成人になって罹ると症状はひどいようです。症状としては急に37℃〜38℃の熱とともに、発疹が胸や背中・口や顔など全身に現れます。発疹は最初に紅斑から水疱となって、やがてかさぶたになります。症状でやっかいなのが『かゆみ』です。ものすごくかゆいので、爪でひっかいたりすると、化膿菌が感染して余病を引き起こすことがあります。かゆみ止めやときには化膿止めなどの抗生剤を使い、症状を軽く抑えて治るのを待ちます。かゆみに対しては手袋をさせて、水疱を爪でやぶらないようにするのも効果的です。口の中にブツブツができると食物が食べづらくなります。流動食などの食べやすいもので症状の軽くなるまで補います。水痘の治療薬として、抗ウィルス剤が出ていますが、早く服用すると予防効果や軽症化、罹感染期間を短くする効果があります。お風呂はかさぶたになるまでは待ちますが、シャワーで汗を流す程度なら構いません。家族のひとりが水ぼうそうに罹ったら、感染力が強いので兄弟や両親にうつる可能性があります。急いで予防接種すれば発症しても軽く済むので相談してください。
 
小児のくすり(鎮咳剤・去痰剤)
 風邪の症状のときに、咳をしずめたり痰を出しやすくする薬のことです。かぜ症状になると咳が続いたり鼻水や痰がたまったりしますが、特に乳幼児の場合は大人と違ってつらい症状のひとつです。大人は自分で鼻水や痰を強制的に出すことができますが、乳幼児はそれがうまくできません。そのため上手に薬を使って症状を軽くさせてやることが必要です。咳が長引いたりするとそれだけで体力を消耗してしまいます。鎮咳剤にはアスベリン・ブロチン・メジコン・エフェドリン・去痰剤にはムコダイン・ムコソルバン・ビソルボンなどがあります。それぞれ薬効に違いがあり、症状に応じて最も適した薬が処方されますので、指示通り飲ませるようにしてください。診察の際に粉薬や水薬などの処方も打ち合わせますので、飲める方をお知らせください。
いむた小児科は久留米市諏訪野町です