子どもの病気の中で最も多いものに急性胃腸炎があります。胃腸炎とは風邪のウィルスや食中毒を起こす細菌が、胃や腸で悪さをするもので冬場に多く発生します。ウィルスが原因で起こるもので代表的なものに、乳幼児嘔吐下痢症があります。はげしい下痢や嘔吐を伴い、感染力も強いので兄弟や保育所でうつることが多いようです。原因ウィルスは数多くあり、特にひどいロタウィルスの場合は白っぽい下痢便が続くのが特徴です。
嘔吐や下痢の症状が続くと急速に脱水症状が進みます。水分補給が間に合わないときは点滴治療が必要ですが、点滴も長時間大変です。早めに受診してひどくならないようにしましょう。
細菌性の方も原因菌の種類は多く、感染源も卵・魚・肉・ハチミツ・ペットからなど多彩です。これらを発生源とする食中毒は、夏から初秋が最も多く発生しますが、冷凍食品の普及や室内の暖房などで年間を通じて注意が必要になりました。細菌が原因で起こる胃腸炎(食中毒)の主な症状には、吐き気・嘔吐・下痢・腹痛・発熱などがあります。離乳食を卒業して生物などを食べ始めるようになると、急に増えてきますので気をつけてください。
乳幼児の場合は離乳後も生物はできるだけ避けて、火を通した新鮮なものを食べさせてください。発生菌の中で最も多いのはサルモネラ菌属ですが、この菌は60℃以上の加熱で殺菌できますので、加熱して食べれば予防できます。
細菌増加している病原性大腸菌(O−157)は、激しい腹痛や下痢(鮮血便)が起こります。特に乳幼児は溶血性尿毒症症候群や脳症を起こし、命にかかわることもあるので油断は禁物です。嘔吐や下痢症状が見られたら早めに受診するよう心掛けてください。
小児のくすり(気管支拡張剤)風邪症状のとき気管支に炎症が起こると、ひどい咳き込みや息苦しさが伴います。これは気管支の炎症によって気道の粘膜が腫れたり、筋肉が収縮したりして気道が狭くなるために起こります。このようなとき、気管支を広げて呼吸を楽にしてくれる作用をする『気管支拡張剤』を使います。気管支拡張剤は交感神経を刺激することで、気管支を広げる作用をします。小児の場合は顆粒やドライシロップ・坐薬が主で、他の薬と一緒に出されることも多いようです。気管支拡張剤の薬には、メプチン・ホクナリン・テオドール・アトック・坐薬にアルビナなどがあります。それから経皮吸収型の(貼付薬)ホクナリンテープは、飲ませる必要もなく効果の持続性が長いという特徴があります。 |