◆2000年 6月(NO.56)
 
はしか(麻疹)
 はしかは子どもの病気の中でも特に感染力が強く、肺炎や脳炎を併発しやすいので注意が必要です。生後間もない赤ちゃんは、お母さんからもらった免疫がありますが、これは数か月の間に失われてしまいます。
 そのため、1歳前後くらいの乳幼児が最も多く罹っています。症状としては、発熱、咳、鼻水、眼やになど、初めは風邪の症状とまったく同じです。
 3〜4日して一旦熱が下がる頃に、発疹を伴った高熱が再び出て4〜5日続きます。体がだるく目が充血して、口の中にコプリックという斑点が現れるのが特徴です。
 身体の発疹は全身におよび、紅色から黒褐色へ変化し皮膚がカサカサになります。この時期には全身の抵抗力が弱くなっているので、肺炎や脳炎などの余病を併発することもあり、こまめな受診が欠かせません。

 治療は対症療法が中心になります。症状に合わせて熱さましや咳止めなどを服用し、安静にして症状を和らげる工夫が必要です。高い熱などで食欲が低下しますから、水分を十分に補給して消化吸収のよい栄養価のあるものを少しずつ食べさせてください。はしかは誰でも必ず罹る病気です。
 軽く罹って上手に免疫をつけるのが良いと思います。一度罹れば免疫は一生続きます。はしかの予防接種は生後12か月から受けられますので、タイミング良く受けてください。また、接種前にはしかの子どもと接触したときは、2〜3日以内に接種を受けて対処することも可能です。
<家庭でのケア>
高い熱や激しい咳があります。夜間のケアに解熱剤や咳止めは必ず備えてください。
食欲が落ちて体力が低下します。水分を十分に補い、消化の良い栄養価の高いものを食べさせましょう。
回復期になればお風呂も入ったが方が良いでしょう。また、学校や保育園はしばらくお休みです。症状の経過を診てもらって、登校登園を何時頃からにするか相談してください。
 
小児のくすり(便秘薬)
 便秘の定義は個人差があると思いますが、排便の回数が極端に少ない、便が硬い、排便時に痛みや出血がある、などの場合は便秘と判断します。腸に便が溜まった状態が続くと、便意が起こりにくくなってさらに便秘が進行します。
 このようなときには、くすりの手助けを借りて、便秘を解消してやることが必要です。便秘薬には腸の働きを促して便を出しやすくする、飲み薬の緩下剤(カマグ・ラキソベロン)や、お尻に入れる坐薬(テレミンソフト)、グリセリン浣腸などがあります。いづれも便秘の程度や症状に合わせた便秘薬を処方しますので、どんな症状なのか詳しく教えてください。

 便秘が解消したら、再び便秘症状を起こさないように、繊維質やヨーグルトなどお腹に優しい食物を食べる工夫も必要です。

いむた小児科は久留米市諏訪野町です