◆2000年 7月(NO.57)
 
ヘルペスウィルス
 ヘルペス性の疾患はウィルスが原因で起こります。感染力が強く皮膚に水疱ができることから疱疹とも呼ばれています。ウィルスの種類は多く、それぞれに異なった症状が現れます。そのため、ここに違った病気の名前がついているので、ヘルペスという言葉はあまり聞き慣れない人が多いかも知れません。一般的なヘルペスは乳幼児の時期に大半の人が罹ります。ヘルペス性歯肉口内炎は乳幼児に最も多く、ヘルペスに初めて感染したときに出る症状です。急に38℃〜39℃の熱が出て、口の中や唇などに水疱ができて食べられなくなったり、症状が重い場合は脱水症状を起こすことがあるので注意が必要です。一度感染するとウィルスは私たちの体の中の神経細胞に潜むこと(潜伏感染)があります。そして、体の抵抗力が落ちたときや風邪をひいたときなどに、再び活発化して病気を再発します。小児のヘルペスには、単純ヘルペスウィルスが原因する、前記のヘルペス性歯肉口内炎、口唇ヘルペス、性器ヘルペス、カポジ水痘様発疹症などがあります。その他、水ぼうそう、帯状疱疹、突発性発疹症もヘルペスの仲間です。いづれも発疹が出る点が共通していますが、症状は様々ですので病気の種類に合わせた治療とケアが必要です。現在ヘルペスには、原因ウィルスに直接作用する、抗ウィルス剤(飲み薬と軟膏)が出ています。
<家庭でのケア>
高い熱や激しい咳があります。夜間のケアに解熱剤や咳止めは必ず備えてください。
食欲が落ちて体力が低下します。水分を十分に補い、消化の良い栄養価の高いものを食べさせましょう。
回復期になればお風呂も入ったが方が良いでしょう。また、学校や保育園はしばらくお休みです。症状の経過を診てもらって、登校登園を何時頃からにするか相談してください。
 
小児のくすり(ステロイド剤)     
 ステロイド剤とは、副腎皮質ホルモンが含まれたくすりのことで、かゆみの強い湿疹や炎症、虫刺されなどに使います。効き目が強く短時間で効果が出る反面。だらだら使い続けると副作用なども出やすく注意が必要です。くすりはチューブ入りの軟膏タイプになっていますので、指先に5ミリ程取出し患部に薄く延ばして使用します。1日の使用は2〜3回くらいが目安です。小児の場合は比較的おだやか効き目の、アルメタ、ロコイドや抗生剤の入ったリンデロンVG、レスタミンコーチゾンなどが使用されます。その他に、副作用の少ない非ステロイドのアンダームなどがあり、症状に応じて処方します。家庭では自己流に使わず使用量や試用期間を正しく守ってください。

いむた小児科は久留米市諏訪野町です