◆2000年 8月(NO.58)
 
手足口病が流行
 夏風邪の一種で、エンテロウィルスやコクサッキーウィルスが原因して。初夏から秋にかけて流行する感染症です。経口、飛沫、接触などで感染するため伝染も早く、1〜2歳くらいの乳幼児がもっとも多く罹ります。今年は全国的に増加傾向が見られ、福岡県でも6月後半より急激な増加が報告されています。ピークは7〜8月なので、今しばらくは注意が必要です。手足口病は名前が示す通り、病状のひとつとして手のひらや足の裏、口の中に小さな水疱ができ、熱も数日続きます。手足の水疱は2〜3日でかさぶた状になり、1週間程で消えるのが一般的ですが、口の中にできたものは多少厄介です。口の中が痛くて飲食ができず、体力の低下を招くことがあるので、家庭でのケアが大切になります。原因ウィルスに対する予防接種は現在のところありませんので、治療は症状に合わせた対症療法と余病併発の防止が中心になります。口の中が痛い、熱が高いなど、具体的な症状を教えてください。予防としては手洗いの励行や衣類のこまめな洗濯などで、ウィルスの持ち込みを減らすことです。最近、重症化して『無菌性髄膜炎』や『脳炎』を併発、入院するケースも報告されています。手足にプツプツが見られたら早めの受診で、初期治療を心掛けてください。
<家庭でのケア>
口の中が痛いときは、刺激少ない口あたりのよいものを食べさせてください。
水分は多めに与えて脱水症状を起こさない工夫を。
夏の暑い時期は状態がよければ、温めの温度でお風呂やシャワーで汗を流しましょう。
発熱、食欲不振、頭痛、吐き気などがある場合は、登園登校は避けて、かかりつけの先生に早めに相談してください。
 
小児のくすり(抗生剤、抗真菌剤)
 肌のトラブルには、カビや細菌が原因します。特に夏は汗をかいて肌が不潔になり、カビや細菌が増殖しやすいので注意が必要です。このような肌のトラブルには原因菌に直接作用する塗り薬を使用しますが、抗生剤の場合は内服薬と併用することも多くあります。また、カビが原因の場合はステロイド軟膏をつけると悪化します。必ず診察を受けてから薬をもらってください。抗生剤にはゲンタシン・クロマイ・アクロマイシンなどがあり、あせもやとびひの悪化を防止します。抗真菌剤にはニゾラール・マイコスポール、エンペシド、プマフシン、フロリードゲルなどがあります。それぞれ使い方に違いがありますので、使用方法についてご不明の点はお問合せください。

いむた小児科は久留米市諏訪野町です