◆2001年 1月(NO.63)
 
アレルギーマーチ
 人の体には免疫抗体反応(抗原抗体反応)があり、いろいろな病原菌から体を守働が備わっています。一度罹ると二度と病気に罹らない免疫がつくのも、この働きによるものです。

 ところが、この免疫反応も良いことばかりではありません。人によっては特定の食物や薬、花粉やダニなどの刺激に反応(アレルギー反応)して、障害が起きてしまいます。これらの障害が起きやすい人(アレルギー体質)は、ひとつの症状だけでなく成長とともに、皮膚〜器官〜その他へと幹部が移りやすい特徴があります。
 つまり、乳児期にアトピー性皮膚炎、幼児期に気管支喘息、思春期に花粉症などで、この現象はアレルギーマーチとよばれ、こどものアレルギーの概念になっています。
 なぜこどものアレルギーが、成長とともに変化していくのか詳細は分かっていません。グラフはアトピー性疾患と発症年齢を表したものですが、アトピー性皮膚炎は乳児期に、喘息は幼児期に集中しているのが分かります。

 こどものアレルギーは、思春期を過ぎれば大半は治ります。それまでは症状を慢性化させない上手なお付き合いが大切です。かかりつけ医をもって辛抱強く対処してください。

 
熱性けいれん(熱性けいれんと予防接種)
 予防接種は乳幼児期のこどもたちを、重大な感染症から守ってくれる大切なものです。そため、必要な時期にスムーズに接種を受けることが望まれます。乳幼児期に発生するけいれんのほとんどは、良性の熱性けいれんですが、まれに将来てんかんへ移行する人があります。

 過去にけいれんを経験したことのある人は、これらのことを考慮して、けいれんが再発したりしないように注意が必要です。現行の予防接種は熱性けいれん児に対しても、実施には問題はありませんが、かかりつけ医での十分な打ち合わせによる接種が望まれます。
 こどもの予防接種は余裕をもって計画を立て、体調のよい時期に受けるようにしましょう。

いむた小児科は久留米市諏訪野町です