◆2001年 6月(NO.68)
 
はしかの流行と予防接種
 昨年から全国的に麻疹の患者数が増えています。麻疹はこどもが罹るウィルス性疾患の代表的な病気で、一度罹れば免疫ができて二度は罹りません。
 しかし、近年は成人の報告数も増加しているようです。これは、運良く麻疹に暴露されずに成人した人や、免疫が落ちて罹る、いわゆる二度かがり、ではないかと言われています。

 麻疹はこどもの病気だと侮ってはいけません。大人になって罹ると肝臓機能が低下しやすく、より重症化する傾向があります。
 福岡県下では、昨年春から夏にかけて発生率が増加、県保健福祉部では今年は流行の年ではないかとしています。
 福岡県感染症動向調査情報では、平成11年・12年と平成13年4月頃までの発生状況を比較すると、発生率が高く推移しています。現在は落ち着いていますが、今しばらくは注意が必要です。

 米国では徹底したワクチン接種で、麻疹患者の発生は殆どないといわれます。日本では昭和53年から、満1歳以上のこどもに対して麻疹ワクチンの定期接種が始まりました。
 でも、接種率は70〜80%と低く、昨年の推定患者数は10万〜20万人に達するとみられています。
 これだけの発生率は、先進国の中では日本だけだそうです。ワクチンの有効率は95%以上あるため、予防接種率が90〜95%以上になれば、病気の発生を防ぐことが出来ます。

 皆の努力で接種率を上げましょう。麻疹は脳炎や肺炎などの合併症が起きやすく、発症年齢が低い程、後遺症が残りやすくなります。1歳になったらまず麻疹ワクチンを優先してください。
 
シリーズ アレルギー(検査と治療)
 一般的な検査には、血液検査、皮膚検査がありますが、これは抗体に反応させてアレルゲンを探します。また、食物アレルギーの場合は、食物除去や食物負荷検査で、アレルゲンとなっている食物を特定することもあります。

 過度の食物アレルギーがある場合は、しっかりと診察を受けておくことが必要です。その他、レントゲン検査で心臓や肺機能の確認、呼吸機能検査・吸入誘発テストなどもあります。
 治療薬は働きによって、抗アレルギー薬(化学伝達物質を抑える)、抗ヒスタミン薬(カギ穴を負債で伝達物質をストップ)、ステロイド薬(抗体を作る働きを抑える)があります。

 日本皮膚科学会が行ったアトピー性皮膚炎患者の調査では、約半数の人が適切な治療が行われていないとの報告もあります。
 アレルギーの発生原因を正しく理解して、正しい検査・治療を受けてください。

いむた小児科は久留米市諏訪野町です