◆2001年 8月(NO.70)
 
熱中症を予防する
 今年はインド洋上でダイポール現象(海面温度が異常に上昇して広い範囲の気象に影響を与える)が起きていて、日本でも記録的な猛暑になっているようです。

 気温の高い日の外出や野外でのスポーツなどは、熱中症を起こさないように十分注意しましょう。熱中症とは暑熱環境下で体内の熱の放散が不十分になり、体内に熱がこもって起こります。熱中症の中には炎天下のもとでの日射病、車の中や閉め切った部屋などで発生する熱射病があります。

 軽度であれば頭痛・耳鳴り・目まい・あくびなどの症状で済みますが、重症化すると失神やけいれんを起こし、体温が40℃以上になったり手当が遅れると、ショック死することもあるので油断は禁物です。

 乳幼児の場合は炎天下での車内が最も危険です。エアコンをつけていても、もしエンジンが止まったら短時間で車内温度が上昇します。小さいこどもはトラブルが発生しても、自力で脱出が出来ません。

 お子さんを乗せたまま車から離れるのは避けましょう。室内でもベビーベッドは南向きの窓側は避けて、直射日光はカーテンなどで和らげてください。

 また、日本の夏は高温多湿なので、あまり厚着をさせると体内に熱がこもってしまいます。クーラーの温度も冷え過ぎないようにして、薄着ですごしましょう。
 学童期になると外で遊ぶことが多くなります。炎天下では帽子をかぶる習慣をつけてください。気温が高い日は長時間続けて遊ばせないこと。
 汗をかいたら麦茶や清涼飲料水を十分飲ませてください。

 また、体調不良や下痢などで体力が落ちているようなときは、野外でのスポーツ活動は控えることも考慮しましょう。
 
小児の救急(赤ちゃんの水の事故を防止)
 暑い夏の水遊びは、体も清潔になって楽しいものですが、赤ちゃんの場合は思わぬ事故につながる危険性があります。

 小さいこどもに最も危険な場所はお風呂場で、年間で約100人前後の乳幼児が溺れて死亡しています。風呂場やビニールプールなどでは、1人で遊ばせずに目を離さないようにしましょう。
 浴槽には残し湯をしない、入り口にカギをかけるなどの工夫が必要です。

 もし溺れたら、すぐに救急車を呼ぶと同時に人工呼吸心臓マッサージ等の救急処置を実施してください。
 まず、こどもに顔を近づけて呼吸音を確かめます。呼吸が弱かったり停止していたら、鼻をつまみ口から息を吹き込みます。(強くなりすぎないように、1分間に20回程度が目安です)脈がない場合は、左右の乳頭を結んだ線の中央より指1本分下を、指2〜3本で2センチくらい沈む強さで、1分間に百回以上心臓マッサージを行ってください。

いむた小児科は久留米市諏訪野町です