◆2001年 9月(NO.71)
 
こどもの健診と予防接種
 現在、母子保健法に基づいて、こどもの成長期に合わせた乳幼児健診が実施されています。具体的には四か月児・一歳六か月児・三歳児健診で、いづれもかかりつけの小児科で受けることが出来ます。

 健診の目的は、成長期にある乳幼児の病気や障害を早期に発見し、保健指導することでこどもの健全な育成を図ることです。
 こどもは乳幼児の時期に急激に成長し、大人の基礎が出来上がります。そのため、先天的な疾患や成長に支障のある病気は、早期に発見して成長の妨げにならないようにすることが重要なのです。

 近年、核家族化の進行と共に、育児不安を持つ親が増加傾向にあると言われます。病気の治療だけでなく、育児支援を含めた健康指導型の小児専門医療が重要になっています。
 今、都市圏の病院では小児科の縮小で、小児専門医の不在が問題視されています。
 自分で症状を訴えないこどもの診察は、専門医でないと重大な疾患を見逃す恐れもあるからです。

 できれば小児専門医のかかりつけ医を持ち、健診も含めた健康管理型の受診が望まれます。小児専門医での健診は医師と保健婦で対応する処もあるので、育児指導や相談も十分に受けてください。
 予防接種が国家的に公費負担の指定を受けているのは、二つの理由があります。
1. 死に至る、後遺症が残る、他の病気を引き起こすなど、罹れば重症化する。(百日咳、麻疹、結核、その他)
2. 罹った幼児は軽くても、社会的に重大な影響を引き起こす。(妊婦&胎児の風疹感染)昔は沢山の人が感染しました。そして看病や身体障害で働けない、多額の治療費など、多くの問題が起こり親や後遺症を持った人が辛い重いをしました。
 これらをなくしたいという、必死の願いから予防接種が開発され、やっとみんなが平等に受けれるようになったのです。だから、自分と社会のためにぜひ予防接種は受けてください。この権利を使わないとインフルエンザのように突然公費負担から外れてしまいます。やめるのは一瞬ですが、認可は至難の業です。
 
小児の救急(誤飲事故)
 こどもの事故の中で最も多いのが誤飲事故です。ハイハイが始まるまでに、必ず部屋の整理整頓をしてください。
 この時期の赤ちゃんは、目につくものは何でも口に入れてしまいます。

 こどもの目線で考えて、口に入りそうな物は手の届かないところに保管する心掛けが必要です。
 異物の誤飲で最も多いのがタバコで、事故の約半数を占めています。その他、硬貨やボタン電池、化粧品、洗剤など、家庭にあるほとんどの物が、乳幼児の誤飲の対象と考えてください。

 また、ピーナッツ、あめ玉、弾力性のあるゼリーなどは、食べるのが未熟な三〜四歳頃までは、器官に詰まる恐れがあるので注意が必要です。
 待合室に誤飲事故防止のパンフレットがあります。部屋の見えるところに張って事故防止を心掛けましょう。

いむた小児科は久留米市諏訪野町です