◆2001年10月(NO.72)
 
ADHD(注意欠陥・多動性障害)
 講演会やテレビで報道されるようになり、『気になるこども』の相談が増えました。こどもは元気な方が良いのですが、大きくなるにつれて元気の度合いが過ぎ、日常生活や学習が困難になればADHDとして対応します。
エジソンもこの病気だったそうですが、周囲の人の適切な対応が大切です。

 ADHDはじっとしている間がなく(多動性)、気に入らないと突然怒りだす(衝動性)、集中力がなく気が散る(不注意)の三大症状が特徴です。一般と比べてどこのまでがADHDなのかの判断が難しい為、家庭や学校でもこれらのこどもに対して適切な指導がなされていないのが現状です。

 叱るより褒める、出来ないことより出来ることを見つけて伸ばす。抽象的な言い方は避けて具体的に指導するなど、指導の基本は他のこどもと同じです。

 親や教師から叱られつづけて自信をなくしたり、いじめの対象になって不登校に陥る場合もあるようです。ADHDかと思われるときは、かかりつけの小児科で相談してください。症状がひどいときは、薬を処方して落ち着かせることもあります。

 周囲の人が障害を正しく理解して接することで、ひきこもりや不登校、家庭内暴力などの二次的障害を防ぐことが大切です。終わり良ければすべて良し、自決して社会生活に適応する大人になって貰うのが目的です。
 
<気になる症状>
◇絶えず動き回り落ち着きがなく目が離せない。
◇自分勝手に行動し、集団生活に入れず友達と遊べない。
◇言葉の遅れがあり、聞こえていない感じがする。
◇周りの刺激を気にして注意が散漫になり、会話が出来ない。
◇知恵遅れはないのに指示に従えない。
◇聞き分けがなく、繰返し注意しても効果が見られない。
◇カットなりやすく衝動的に行動し、周りの理解が難しい。
◇授業中など空想にふけることも多く、ぼんやりしている。
 
 その他、極端なこだわり、整理整頓が出来ない。忘れ物が多い、授業を聞いていない、質問と答えがチグハグなどの学習障害があげられます。

いむた小児科は久留米市諏訪野町です