◆2001年11月(NO.73)
 
偏食をなくそう
 食事に対する好き嫌いは、生後半年〜三歳頃に始まります。偏食になってしまう原因はいろいろですが、家庭での食事環境が最も大きく関係するようです。育ち盛りのこどもは偏った食事内容が続くと、栄養のバランスが崩れて発育にも支障をきたします。この時期に偏食を起こさないように注意しましょう。

 特定の食材ばかり食べたり、全く食べない食材が出てきたら、偏食の始まりかもしれません。スムーズな離乳が出来たか、こどもの好きな離乳食に偏らなかったか、親に偏食がないか、などを考えてみましょう。

 また、朝食を食べない園児が二割に達するという調査結果があります。食生活が不規則になるのも、発育期のこどもにとって良くありません。

 久留米大学の加藤教授(小児科)は、将来こどもの生活習慣病を引き起こさない為には、小さい頃より薄味に慣れさせることが大切だと言われます。

 また、アレルギー寄生虫が原因で偏食になることもあり、小児科での検査も必要な場合があります。あらゆる食材が手にいる飽食の時代、外食や加工食品も増えています。

 家庭でもついついこども達の好む食事内容になりがちです。好き嫌いを言うと押入れに入れられた時代もあったようですが、バランスよい献立で嫌いな食材を無くしてください。

 農耕民族だった日本人の体は、欧米人と比べると腸が長く便の量も多い穀物消化型です。近年、欧米型の食生活で肥満や腸癌が増えているのも、こんなところが原因しているのかもしれません。

 日本には『五穀豊穣』と言うことばがあるように、米・麦・粟・豆・稗が常食でしたが、今ではほとんど口にしないものもあるようです。

 和食の良さを見直して、バラエティーに富んだ食生活が望まれます。

いむた小児科は久留米市諏訪野町です