2002年 8月(NO.82)
 
乳幼児の腹痛
乳幼児は痛みや症状を、まだ正確に伝えることが出来ません。そのため、泣くことで具合が悪いことを訴えるので、日頃の様子との違いを見てやることが大切です。一般に乳幼児の腹痛の特徴としては、顔色や泣き方がふだんと違う。発熱・嘔吐・下痢などの症状を伴いお腹を抱え込む(背中を丸める)。お腹がパンパンに張る。足をお腹の方に持ち上げると激しく泣く。などがあげられます。でも、小さいこどもの場合は、どこに痛みがあるかのか分かりづらく、改善しないときは早めに受診しましょう。
 
急性胃腸炎
幼児や学童に多く、腹痛・嘔吐・下痢があります。アレルギー性の場合や、寝冷などで胃腸が弱ったときに、水分の取り過ぎや消化の悪いものを食べたりしても起こります。
 
食中毒
約8割が細菌性の食中毒です。カンピロバクターやサルモネラ菌など、幼児期になると生物も口にするので注意が必要です。食材は新鮮なものを選び、とくに乳児期は卵の殻に付着した菌からの感染にご注意ください。調理器具の消毒や手洗いも、この時期は十分注意しましょう。
 
腸重積症
2歳以上の男児に多く、突然青白い顔になって断続的に腹痛を繰り返し、嘔吐もあります。原因は腸が腸の中にもぐり込むもので、手当てが遅くなると命にかかわります。この様な症状は至急の受診が必要です。
 
便秘
母乳不足や糖質・水分・繊維質不足でも見られます。お腹が張って機嫌が悪く、いきんだり、おならが出る、などがあれば便秘かも知れません。また、乳幼児には先天性の病気を伴った便秘もありますので、繰り返すようであれば診察を受けましょう。
 
先天性の病気
先天性巨大結腸症は下部腸管神経がなく、下部の腸管が収縮している病気です。自然排便がなくお乳の飲み方が悪く嘔吐があります。便が溜まるのでお腹がパンパンに腫れてきます。先天性肥厚性幽門狭窄症は、幽門筋が肥厚しているものです。生後2〜8週頃にお乳を噴水のように吐いて、脱水や栄養失調を起こします。

いむた小児科は久留米市諏訪野町です