2002年10月(NO.84)
 
急性肺炎
肺炎はいろいろな病気を引き起こす感染菌やウィルスが肺に進行して起こります。空気の取り入れ口の肺胞が炎症を起こしている状態です。以前は死亡率のトップを占めた肺炎も、抗生物質の進歩や医療技術の発達で今日では大幅に減少しました。でも体力の弱い乳幼児や高齢者は進行が速く、今でも油断は出来ません。大人では熱が高く咳もでますが、乳幼児は各器官がまだ未熟なため症状が出にくい場合もあるようです。呼吸が困難になるので、息が速くなって鼻が大きく開きピクピク動いたり、胸やお腹が大きくシーソーのように上下したりします。肺炎の原因は様々ですが、感染菌によって細菌性肺炎、ウィルス性肺炎、マイコプラズマ肺炎などに分類されます。
 
症状が重い細菌性肺炎
細菌が起因する肺炎は肺炎球菌の他に、インフルエンザ菌、溶連菌、ブドウ球菌などがあり、比較的症状が重いのが特徴です。高い熱が出て呼吸が速くなり、進行するとくちびるや爪が紫色になって呼吸困難に陥ります。細菌性肺炎には原因菌を特定し、有効な抗生物質の投与が最も効果的です。また、ウィルスではインフルエンザ、RS、アデノ、麻疹などの各ウィルスがあります。症状は細菌性より一般に軽い場合が多いようですが、ウィルスを直接撃退する薬はありません。対症療法で症状を抑えながら合併症の発生を防ぎます。その他に細菌とウィルスの中間とされるマイコプラズマがあります。マイコプラズマ肺炎は幼児期以降に多く、咳が長く続くのが特徴です。今は有効な抗生物質がありますので、早めの受診が望まれます。肺炎を引き起こしてしまったら治療は長期になります。通院外来で治すか入院するかは症状次第。重症化しないように乳幼児は早期治療が大切です。

いむた小児科は久留米市諏訪野町です