2003年01月(NO.87)
 
インフルエンザ治療最前線
 対症療法から攻めの治療へこれまでインフルエンザの治療は、発熱や咳、のどの痛みなどの症状を和らげたりする、いわゆる対症療法が中心でした。しかし今、体内でのウィルスの増殖を抑える抗ウイルス剤と迅速診断キットの普及で、インフルエンザ治療は変革期を迎えています。  小児のインフルエンザ感染で怖いのは合併症の併発です。脳炎や脳症を引き起こすと後遺症が残ったり、場合によっては死亡するケースもあるからです。重症化するのは一歳から三歳の乳幼児が最も多く、症状の進展が速く容体が急変することがあります。今年は久留米地区でも例年になく流行が早く、十二月中旬より急激に患者数が増加しています。 小さいお子さんは充分注意しましょう。
 
治療薬でウイルスを封印
 三歳以下の乳幼児の場合は高い熱を出す病気が多く、インフルエンザに罹っているかどうかの判断が難しい場合が少なくありません。流行の様子や親の感染具合も考慮に入れ、必要であれば迅速診断キットで診断します。  現在、用いられている迅速診断キットは、咽頭や鼻腔の拭い液を検体として判定、陽性であれば抗ウイルス剤で治療します。抗ウイルス剤はウイルスの増殖を抑えて症状を軽減し、治るまでの期間を大幅に短鮨してくれますが、発病後48時間以内に使わないと充分な効果が出せません。早期の受診がポイントです。

いむた小児科は久留米市諏訪野町です