2003年02月(NO.88)
 
こどものアレルギーが増加
 昨年、西日本小児アレルギー研究会.・有病率調査研究班で、九州・山口地区十一県の児童を対象に、アレルギー疾患の実態調査が行われました。結果は全体児童の約三分の一以上に何らかのアレルギー疾患があり、十年前の調査と比べて大幅に増加していることが分かりました。  主な疾患はグラフで示すように、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、気管支喘息、スギ花粉症が前回の調査と比べて軒並み増加。アトピー性皮膚炎だけが、やや減少しました。
 また、喘息発症時期の低年齢化と、アレルギー性鼻炎・アレルギー性結膜炎・スギ花粉症は、学年が上がるほど有病率が増える傾向が見られました。
 
アレルギーの原因はさまざまな要因が複合
 アレルギー増加の要因は昔と比べ、食生活の変化や冷暖房機器の普及、大気汚染を含むアレルゲン物質の増加などが上げられます。食物、ダニ、(ハウスダスト)、花粉、ほこり(ペットの毛等)、などのアレルゲンの除去で、アレルギーを予防することが大切です。

 食物アレルギーでは、じんま疹や呼吸困難、嘔吐、ショックなどを起こすこともあります。体質的に合わない食物があれば、特定しておくことが必要です。

 乳幼児のアトピー性皮膚炎も厄介な疾患ですが、多種類の食物アレルギーを合併する場合も増えています。アレルゲン食物を特定した後で、栄養に配慮しながらの除去食が必要です。成長期の過剰な除去食にならないように、かかりつけの小児科で栄養指導を受けることも考慮してください。

 こどものアレルギーは大人になるとほとんどが改善します。病気と上手に付き合い根気よく治療して、小児期を乗り越えましょう。

いむた小児科は久留米市諏訪野町です