2003年11月(NO.97)
 
☆気をつけよう、インフルエンザ脳炎
 秋風も冷たさを増し、インフルエンザのシーズンが近づきました。毎冬テレビや新聞紙上で話題になる、インフルエンザが原因する乳幼児の脳炎・脳症。発症児の約三割が亡くなり、命を取り留めても後遺症が残る場合もあり、流行時には十分な注意が必要です。

 インフルエンザ脳炎・脳症は突然の高熱で始まり、けいれんも引き起こして症状が急速に悪化するのが特徴です。脳炎が脳内でウィルスが増殖するのに対し、脳症は脳内での増殖はありませんが、感染をきっかけに神経障害を引き起こします。これまでの例では、こどもの場合は五歳以下が大半を占め、発熱の当日か翌日に発症することが多いようです。急な発熱時にはこどもの様子に注意しましょう。
 
予兆はこどもの様子の異変
 脳炎・脳症に罹った人の中には、ただの風邪だろうと思って油断していたことも少なくないようです。体調の異変に気づき、もっと早く受診していればよかったとの声も聞かれます。発熱はそれを引き起こした何らかの原因があります。解熱剤を使って良しとせず、普段の体調や様子と変わった点があれば、まず診断を受けましょう。
 
ワクチン接種で予防する
 インフルエンザが流行すると、人込みや保育園等の集団生活で感染する場合も出てきます。日々の生活の中では感染を防ぐのが難しいこともあり、たとえ罹っても重くならないためにはワクチン接種が有効です。慢性気管支炎や喘息、心臓病などの基礎疾患がある人は、特に重症化する傾向がありますので、しっかり予防してください。

いむた小児科は久留米市諏訪野町です