◆2004年1月1日(NO.99)
 
小児とインフルエンザワクチン
小児科領域では冬季にもっとも注意したい疾患がインフルエンザです。乳幼児は抵抗力が弱いため、油断するとインフルエンザ感染をきっかけに、合併症を引き起こして入院する羽目に。国内では毎年、数千人から数万人の小児が入院していると言われます。年令域は一歳から五歳頃までに集中し、中でも一歳児の入院がもっとも多くなっています。学童期になるとたとえ感染しても外来で完治して、入院はまれになるようです。

 以上のことから乳幼児期は時にインフルエンザ対策(予防)が大切です。昭和四十〜五十年代は学童集団接種が実施されていた為、インフルエンザの流行抑制効果があったようです。高齢者の死亡や入院も大幅に抑えられていたというデーターからも裏づけされています。でも、廃止されて任意接種になった今は、自己で守るしかありません。せめて希望する人が全て受けれるように、ワクチン不足だけは解消してほしいものです。
 
インフルエンザ対策の基本はワクチン接種
ワクチンを接種したから感染を完全に防げるわけではありません。しかし、例え罹っても軽く済ませる効果はあり、脳症や入院を回避できるかも知れません。できれば予防接種を受けて、リスクはできるだけ少なくしておきましょう。

 六ケ月未満の乳幼児は罹患率および合併症の頻度は低く、まだ母体から貰った抗体が残っていると言われます。ワクチン接種時期は六ケ月以上が目安です。現在使用中のワクチンは、不活化されている改良ワクチンで、まず、大きな副作用の心配はありません。

 これからがインフルエンザの流行期です。今はウイルスを細胞内に封じ込めて増殖を抑える、有効な治療薬もあります。この薬は発病後の素早い投与が必要になりますので、早期受診を心がけてください。

いむた小児科は久留米市諏訪野町です