◆2004年4月1日(NO.102)
 
小児期のアレルギーを乗り切ろう
 今や日本人の三人に一人がもっていると言われるアレルギー疾患。大人になったときに慢性化させないためには、小児期の適切な治療が大切です。アレルギー疾患は、外敵であるウィルスや病原菌から身体を守る機能(免疫)が過剰に働いて起こります。生活環境が清潔で快適になった反面、少しの刺激でアレルギー反応が起こるようになりました。  こどものアレルギーで代表的なものは、小児喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーです。いずれも成長盛りのこども達には、やっかいな症状が伴います。アレルギー疾患は、それぞれの症状に対する対症療法の他に、予防治療が最も大事な病気です。症状が出たときだけの治療で終わらず、根気よく予防治療を続けましょう。
 
小児喘息は予防が大切
 喘息の症状は主に夜間から明け方にかけて起こります。昼間、活発に動いた日は、夜間に発作を起こしやすいので注意してください。普段から吸入療法で気管支の炎症を抑え、夜間の発作に対しては喘息テープを備えるなどで対処しましょう。
 
アトピー性皮膚炎に新薬
 小児のアトピーの場合は、かゆさを我慢できず患部を掻いて症状がさらに悪化します。爪を短く切って手袋をさせるのも、患部を爪で引っ掻かない工夫のひとつです。進行した炎症にはステロイド軟膏が有効ですが、今は免疫抑制剤として使われているタクロリムス軟膏が、小児のアトピー性皮膚炎の治療薬として出ています。副作用がなくステロイド剤と同じ作用が期待できるので、上手な使い分けが効果的です。
 
食物アレルギーは
     成長と共に改善
食物アレルギーは乳幼児に多く、小学校入学までには九割が改善するようです。治療は予防薬を服用したり、原因となる食物を控えることですが、代用食で栄養を確保することを忘れないでください。かかりつけ医に相談して乳幼児期は上手に付合いましょう。

いむた小児科は久留米市諏訪野町です