◆2004年7月1日(NO.105)
 
じわり流行、夏カゼ
 六月中旬より夏カゼ症候群が増加中です。暖かくなって高温多湿な環境が整ってくると、夏に元気なウィルス群が活動開始。小さいお子さんは夏カゼに注意が必要な時期になります。夏カゼは冬のカゼと違って咳や鼻水はあまり出ず、頭痛や高い熱、発疹、腹痛や嘔吐などが主な症状です。咽頭結膜熱(プール熱)、ヘルパンギーナ、手足口病など、いずれもウィルスによるもので、アデノやエンテロ、コクサッキー、エコーウィルスなどが起因します。感染力が強いので流行時期には注意しましょう。
 
脱水症と合併症を防ごう
 こどもは体重あたりの水分量が大人の約三倍あり、腎臓機能もまだ未発達です。そのため、夏カゼで高熱や嘔吐下痢が起こると脱水症に陥りやすく、水分補給を心掛けることが大切です。また、抵抗力が弱いので、こじらせてしまうと合併症を併発する場合があります。まれに髄膜炎や肺炎を起こして重症化することもありますので、早めに受診しましょう。
 
看護のポイント
 ウイルスは人の細胞の中にいます。そのためウイルスを直接殺す薬はまだありません。まず安静にして熱や嘔吐下痢などの症状を和らげ、体力を保つことが大切です。症状に応じて痛み止めや解熱剤を使い、二次感染が疑われる場合は抗菌薬(抗生剤)が処方されます。症状が改善しても体内にウイルスがいなくなったわけではありません。再発予防のために薬は支持された期間続けましょう
 家庭では食欲がないときは水分をこまめに与え、少し食欲が出たらおかゆやプリンなど、のどごしの良いものを食べさせてください。汗は乾いたタオルで拭き,熱があっても38度以下で元気ならシャワーで清潔を心がけましょう。

いむた小児科は久留米市諏訪野町です