◆2005年9月1日(NO.119)
 
こどもが最多、食中毒
 食中毒を起こす原因は色々ありますが、その内の約8割が細菌性の食中毒が占め、罹患者の大部分が乳幼児から高校生までのこども達です。
 食中毒は気温や湿度が高くなって菌が繁殖しやすい夏場がピーク。でも、最近は食生活環境の変化で夏場以外の食中毒の発生が増えています。細菌性の食中毒は下痢を伴い、原因菌によっては腹痛・嘔吐・発熱などの症状も加わります。

 体力に余力のない小さいお子さんは激しい下痢や嘔吐が続くと、食事が取れずに脱水症状を起こすことがあるので注意が必要です。
 菌を持ち込まない、増やさない、殺菌する、で食中毒を予防すると共に、食中毒が疑われるときは早めの受診で対処しましょう。
 
私達の周りの食中毒菌
◆サルモネラ菌
 患者数の最も多い細菌です。けいれんやショック、血便なども起こして重症になりがちです。イヌ・ネコ・トリなどの腸にいる菌が食品や卵の殻などを介して人に感染します。

◆カンピロバクター
 こどもに多い食中毒菌です。激しい腹痛や下痢が起こります。小鳥などのペットからの経口感染に注意しましょう。

◆腸炎ブビリオ
 主に魚介類から感染します。生で食べる生鮮食品は新鮮なものを選んで、時間が経ったものは必ず火を通しましょう。

◆病原性大腸菌
 生肉やミンチなどに菌が多く、海外での食材生産も発生増加の要因と指摘されています。重症化するO-157もこれに属しますので、調理の際は良く火を通しましよう。
 
乳幼児の食中毒治療
 脱水に備えて点滴による輸液補給、細菌検査による抗菌薬の投与が必要な場合があります。受診の際はいつ頃からどんな症状か、何を食べたかを教えてください。

いむた小児科は久留米市諏訪野町です