◆2005年10月1日(NO.120)
 
海外、感染症情報
 予防接種の普及で日本国内では感染症の流行が大幅に減少しました。お母さん達の予防接種に対する理解度の深まりと、公費負担による予防接種推進の結果だと思います。

 一方、海外に目を向けると感染症の種類によっては、今だに流行を繰り返す危険地域も多くあるようです。とくに亜熱帯に属するアジア地区は、マラリア・赤痢・コレラ・ポリオ・日本脳炎などの発生地域が点在する流行地域です。地域性・国の施策の違い・貧困など、原因は様々ですが、海外との往来や食材流入も日常的になった今は、地球レベルでの予防対策が必要な時期になっています。
 アジアは日本とのかかわりが深く、今後も往来が多くなる地域です。こどもの達の将来のために必要な予防接種はしっかり受けておきましょう。
 
アジア地区に多い感染症
2005年夏、インドネシアでは根絶したと思われていたポリオ(小児まひ)が流行して200人以上の患者が発生。

 世界保健機構(WHO)は感染拡大防止に追われています。この地域では予防接種未接種者も多く、感染拡大の要因のひとつになっています。
 また、インドでは日本脳炎が猛威を振るい、患者数が1000人以上で死亡者も焼く300人(大半がこども)を出しているとのニュース報道もあります。その他、コレラや赤痢などは、生水や生食物から感染する場合が多いようです。

 発症すると激しい水のような下痢を伴い体重が激減します。また、これらの地域では蚊が日本脳炎・マラリア・黄熱・デング熱などの病気を媒介します。海外旅行などで行く日本人は病原菌に対する免疫がないので、これらの地域では蚊よけ対策が欠かせません。
 それから、意外と知られていないのが、水や野菜から感染するA型肝炎。日本や北米、西欧先進国を除けば、ほぼ全世界で流行していると言われています。海外に出かける場合は予防接種で備えましょう。

いむた小児科は久留米市諏訪野町です