◆2006年02月1日(NO.124)
 
おたふく風邪は合併症に注意
 おたふく風邪(流行性耳下腺炎)は、ムンプスウィルスが原因する感染症です。本来は晩秋から早春に多い病気ですが、今は通年みられるようになりました。
 ムンプスウィルスの感染力はかなり強力で、咳やくしゃみなどによりウィルスが拡散されてうつります。発症すると、寒気、頭痛、筋肉痛、食欲不振などの後に耳下腺が腫れておたふくさんのようになることが多く、この名前がついています。

 一般的に熱は3〜4日、耳下腺の腫れは1週間ほど続きます。母親からの移行免疫が残っている乳児の感染は少ないのですが、罹患者の半数は4歳以下の乳幼児です。おたふく風邪は一度免疫がつくと生涯免疫が続きます。

 現在、ワクチン接種は任意ですが受けておけば安心です。
 
合併症に注意しよう
 きちんと治療すれば問題ないのですが、注意しないと細菌の繁殖による混合感染で、各種の合併症を引き起こす場合もあるようです。

 無菌性髄膜炎、リンパ腺の化膿、すい臓炎、難聴などを引き起こして障害が残ることがあります。
 ごくまれですが、小児期に聴力を失う主要原因のひとつはムンプス感染によるものです。

 また、思春期以降の感染では、男性の場合は20〜30%の確立で睾丸炎、女性の場合は5%程度の確立で卵巣炎が起こります。症状は一週間ほどで快復しますが、将来不妊症の原因になることがありますので、しっかり治療することが大切です。
 
家庭でのケア
 唾液腺の中で最も感染を起こしやすい耳下腺が腫れています。硬い食べ物や酸味のある飲み物で痛みを伴うときは、お粥やスープなど喉にやさしい物を選んで食べさせましよう。

 発熱や脱水があれば解熱剤や輸液補給が必要です。症状が改善しないときは必ず再診してください。
 おたふく風邪は学校伝染病に分類されていますので、登園・登校については、かかりつけの先生に相談しましよう。

いむた小児科は久留米市諏訪野町です