◆2006年05月1日(NO.127)
 
しっかり治そう、小児のアトピー
 生活環境の変化と共に増加の一途をたどるアレルギー性疾患。今や日本人の3人に1人が何らかのアレルギーを持つようになりました。

 アレルギー性疾患は外敵である病原体から体を守る機能(免疫)が過剰に働いて起こります。こどものアレルギーで代表的なものは、小児喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーですが、いずれも成長盛りのこども達には厄介な疾患です。
 なかでもアトピー性皮膚炎は普通の湿疹と区別がつかず、知らないうちに悪化していることも少なくないようです。湿疹が繰り返したり長引くときは診察を受けて原因を調べてみましょう。

 アトピー性皮膚炎は、食物抗原、吸入抗原、環境因子、心理的要因等の複合要因で発症すると考えられています。個々の体質や症状に合わせた治療と共に、日常生活からアレルゲンを取り除くことが大切です。室内の換気やほこりの除去、布団干しや保湿剤によるスキンケアなどでアトピーの増悪を防ぎましよう
 
小児科でのアトピー治療
■食物除去は特定の食物でアレルギー反応が起こることが判明した場合、食生活からその食物を除去する方法です。但し、成長期にある乳幼児は代用食などを十分に考慮して行う必要があります。

 また、母乳栄養の場合は母乳を介して食物抗原が入る恐れがあるので、お母さんも同様に食物除去が望ましといえます。アレルギー抗原除去を早期に行うことで、アレルギーマーチ(アトピー性皮膚炎へ移行)の予防につながります。

■アトピー性皮膚炎の治療の中心は消炎剤で、ステロイド系と非ステロイド系があります。中等症以上にはステロイド系を使用せざるをえませんが、小児科では副作用を考慮して強力なものは使いません。

 また、内服薬はかゆみを抑制する抗ヒスタミン剤、アレルギー反応を抑える抗アレルギー剤などです。小児期のアトピーの大半は2〜3歳頃までには治ります。症状を慢性化させないように上手に対応してください。

いむた小児科は久留米市諏訪野町です