◆2006年09月01日(NO.131)
 
ゆさぶり症候群
 こどもの脳に深刻なダメージを与え、ときには死亡することもある「乳幼児ゆさぶり症候群」。今、その実態が少しずつ判ってきました。 生まれて間もない赤ちゃんの脳は、柔らかい豆腐のようなもの。激しく揺さぶられるとダメージを受けて、硬膜下血腫や眼底出血などが起きてしまいます。育児のイライラから激しく揺さぶる虐待行為の他にも、懸命にあやしたつもりが力が入り過ぎて事故になる場合もあるようです。今は母子手帳に「新生児や6か月児以下の赤ちゃんを強くゆさぶるのは避けましょう」と注意書きされていますが、大人の中にはそのことを具体的に認識している人は多くないようです。小さいこどもに対してはゆさぶり厳禁を頭に入れてやさしく接してください。
 
事故発生の境界線は不明
 2年前、アメリカで生後3カ月の赤ちゃんが脳損傷で死亡。ベビーシッターがチャイルドシートを激しくゆさぶつたのが原因だとして裁判に発展しました。故意に激しくゆさぶる行為は別として、ゆらしてあやす行為はどこまでが安全圏なのか不明な部分も多いようです。今、ゆさぶり症候群がどの程度で発生するのか、そのメカニズムの検証が始まっています。誓い将来どの程度でゆさぶり症候群が発生するのかが解明され、予防策や防止具の開発につながればと思います。 首の座る前の赤ちゃんに対して過度の衝撃は危険です。やむを得ず車で移動するときは、ベビー籠でしっかり固定して急ブレーキ等で落下することのないようにしましよう。また、ベッドや階段は落下防止対策を心がけ、赤ちゃんが喜んでも過度の激しいあやし方は避けましょう。

いむた小児科は久留米市諏訪野町です