◆2006年10月01日(NO.132)
 
BCG接種で備えよう
 昔は不治の病と言われて恐れられた結核。戦後の食生活環境の改善、診断・治療薬の発達、予防接種の普及等で劇的に減少しました。

 でも、国内では今でも毎年約四万人の患者が発生し、三千人程度が死亡しているわが国最大の感染症です。患者の半数以上はは六十歳以上の高齢者で、体の体力が落ちて発病しやすくなるのが主な原因。最近は高齢者の増加とともに患者数が増加傾向にあり、排菌者増による小児への感染が心配されます。
 
免疫のない小児は病気の進行が早い
 お母さんから抗体を貰わない赤ちゃんは、結核菌に対して無防備状態。そのため、発症年齢が低いほど感染後の病気の進行が早く、十分な注意が必要です。小児結核の大半は家庭内での感染。家族の結核に対する認識を深め、定期的に家族の健診を行いましょう。また、小児結核患者の九割がBCG未接種者とのデーターもあります。定期の予防接種(BCG)は必ず受けてください。

小児の結核では肺門リンパ節結核が最も多く、自覚症状はほとんどありません。そのため、レントゲン検査で初めて分かることもあり、小児科でのレントゲンも重要です。
 その他、結核性髄膜炎や肺全体に結核菌が散布される粟粒結核など、小児の結核は重症化しやすい特徴があります。
 
BCGは生後六ヶ月未満に実施
 なるべく早く免疫をつけて結核菌に備えるために、BCG接種は生後三ヶ月〜五ヶ月児が対象です。平成十五年の予防接種法の改正で小学校のツ反検査・BCG接種は廃止されました。今は問診票で検査が必要と認められた場合のみ、精密検査を実施することになっています。自己防衛がなにより大切です。

いむた小児科は久留米市諏訪野町です