◆2006年12月01日(NO.134)
 
クループ(喉頭炎)は夜間に注意
 あまり聞き慣れない病名ですが、犬の吠えるような咳が出る赤ちゃんや幼児に多い病気です。原因はウイルスや細菌感染によるもので、気管の入り口の喉頭に炎症が起こります。とくに喉頭の声帯の下にある声門下の粘膜が腫れるため、声がかすれてケンケンなどの咳が出ることになるのです。 症状としては風邪ぎみかなと思っていると、声がかすれて呼吸をするときに乾いた咳が伴ってきます。喉の腫れが酷くなると呼吸の度に苦しがり、ゼイゼイ・ヒューヒューと音を立てることも。これは喉頭が腫れて空気の通り道が狭くなっているためで、症状が激しい場合は顔や唇が青くなって呼吸困難によるチアノーゼが起こります。薬の吸入や酸素吸入による治療が必要です。
 
夜間の悪化を防ごう
 この病気は夜間に症状が悪化して慌てることが多いようです。重症化したら入院治療が欠かせませんので、早めに受診して悪化しないように予防しましよう。   喉の腫れには吸入治療で喉に直接薬剤を噴霧するのが最も効果的。こまめに通院して喉の痛みや腫れを改善してください。喉が痛くて食事や水分が取れない場合には、点滴治療で早期の体力回復を図ります。ちょっと痛いけど入院することになったらもっと大変。お母さんに絵本を読んでもらうよい機会かも知れません。 家庭でのケアは、喉にやさしい食べ物や水分をこまめにあげましょう。また、室内は暖かく保って加湿器などで湿度を高めてください。この病気は夜間に呼吸困難などを起こすことがあります。夜間の発作に対しては朝まで待つと呼吸停止になる場合もありますので、夜間対応の病院も確認して対処しましょう。

いむた小児科は久留米市諏訪野町です