◆2007年01月01日(NO.135)
 
嘔吐下痢が急増
 冬場に起こる嘔吐下痢はロタ、アデノ、ノロ等のウィルス性のものが多くあります。最近ニュース等で話題になっているように、今冬はノロウィルスによる感染性胃腸炎が大流行。昨年後半から患者数が増加しています。乳幼児やお年寄りは激しい嘔吐や下痢の症状を繰り返すと、体力が低下して二次感染や脱水症を起こしやすいので注意が必要です。例年、冬場の前半にはノロウィルス、後半にはロタウィルスによる胃腸炎が流行しますので、今しばらくは嘔吐下痢から目が放せません。
 
ノロウィルス感染症
 日本では小型球形ウィルス(SRSV)と呼んでいましたが、平成十五年からノロウィルス(アメリカで発見された地名からとった名前)の名称を用いています。このウィルスは人の口から入り、胃の強力な胃酸にも耐えて腸に到達。そして、ここで爆発的に増加して病気を引き起こします。今回、大流行した要因は不明とされていますが、ウィルスがアルコールに強く消毒が困難なこと。患者の排菌期間が数週間と長く、飛沫や空気感染で広がりやすかったことなと゜があげられています。

 主な症状は吐き気と嘔吐・下痢で、血便等は通常ありません。症状は平均し一日〜二日と比較的短期間で治りますが、乳幼児は基礎体力の低下で合併症を起こして長引くことがあります。家庭内に患者が発生したら感染予防が大切。このウィルスに対しては次亜塩素酸ナトリウムによる消毒、または85度以上で一分以上の加熱消毒が必要です。とくに嘔吐物や便からの二次感染、感染者からの飛沫感染に注意しましよう。
 
嘔吐下痢時のケア
 乳幼児は脱水の予防、嘔吐物による窒息などに注意が必要です。飲み薬や坐薬で吐き気を抑えて症状を軽くする方法もあります。水分補給が間に合わずグッタリするようであれば、輸液補給(点滴処置)が必要です。嘔吐下痢の症状がみられたら早めに受診して、適切なケアを心がけましよう。

いむた小児科は久留米市諏訪野町です