◆2007年03月01日(NO.137)
 
髄膜炎ってどんな病気
 それほど多い病気ではありませんが、小さいこどもの場合は病状把握も難しい厄介な病気です。髄膜炎は脳や脊髄をおおっている膜のこと。ここにウイルスや細菌が感染して炎症を起こしてしまうのが髄膜炎です。ウイルスが原因しているものを「ウイルス性髄膜炎」、細菌が原因しているものを「細菌性髄膜炎」と言います。髄膜炎のほとんどは風邪やはしか、おたふくかぜなどの感染症を発病した後に起こります。ウイルス性の場合は症状も軽く後遺症が残ることは少ないようですが、細菌性の場合は高熱が出でから3日以内に治療しないと命にかかわります。高熱、意識障害、けいれんなどを伴い短時間で重症化しますので、至急入院して強力な治療が必要です。たとえ回復しても後遺症が心配される髄膜炎。高熱、繰り返す嘔吐、筋肉の硬直など、いつもと様子が違うときは素早い受診を心がけましよう。
 
髄膜炎の症状とケア
 高熱、頭痛、嘔吐が代表的な症状です。ぐずって機嫌が悪く、意識障害やけいれんなどを起こします。乳幼児の場合は頭がい骨の前にある大泉門がパンパンに腫れることがありますが、これは髄膜炎の炎症によって頭に水が溜るために起こる現象です。その他、細菌性の場合は体の筋肉が硬直してオムツ替えが困難なこともあるようです。いずれにしても、この病気は早期の治療が欠かせません。
 
細菌性髄膜炎の主因菌ワクチン認可?
 細菌性髄膜炎の6割はインフルエンザ菌(インフルエンザウイルスとは別物)が原因と言われます。年間、1000人程度のこどもが発病し診断や治療が難しいのが現状。米国ではすでに定期接種になっているHibワクチンですが、国内では来年からとの話も出ています。しかし、実施までにはまだ暫くかかりそうです。

いむた小児科は久留米市諏訪野町です