◆99年 1月(NO.39)
 
百日咳
 乳幼児が罹る急性伝染病で、咳が長く続くことからこの名前が付いています。感染は百日咳菌の飛沫によるもで、病状は約2週間の潜伏期間の後に風邪と似たしょうじょうが1〜2週間、激しい咳の主症状の時期が3〜4週間、その後の回復期に2〜3週間と経過が長いのが特徴です。

 咳が激しくなると連続して発作的に咳き込み、特に夜に咳が頻発します。息が続く限り咳が出て、息を吸うときにヒューヒューという音(レプリーゼ)が出たり、咳による窒息や嘔吐・けいれんなどを伴うこともあります。

 治療は抗生剤と咳対策ですが、咳がひどくなってからでは思うように治療効果が期待できませんので、初期治療を心掛けることが大切です。百日咳を予防するに三種混合ワクチン(百日咳・破傷風・ジフテリア)がありますが、乳幼児が接種を受ける前に感染すると、無呼吸発作やチアノーゼなど、重症になりやすいので注意が必要です。

 合併症がなければ熱は伴いませんが、熱が出た場合は肺炎や脳症などの合併症も考えられます。百日咳肺炎は濃啖で肺が詰まり死に至ることもある、乳幼児にとっては特に怖い病気です。

 年齢が低いほど重症になりやすいので、生後3ケ月以降の早い時期に三種混合ワクチンの予防接種を受けることが大切です。今はかかりつけ医で接種出来ますので、接種の時期などを早めに相談すると良いですね。予防に勝る治療はありません。
 
予防接種Q&A(三混の3回目が間隔があいてしまった)
 三種混合に含まれるワクチン三種類は体の中で増えないので、十分な免疫をつくるために2〜3回の接種が必要です。最初の接種は3〜8週の間に次を受けるのがベストですが、間隔がバラバラだったり1年以上間隔が開いても、やはり規定の回数(3回)受けることを心掛けてください。

 回数をキッチリ受けていればワクチンの効果は期待出来ます。現在はかかりつけ医による個別接種となっていますので、4回目の追加接種の時期はご相談ください。受診際に接種のタイミングを打ち合わせると安心ですね。
 
 
岐阜県笠松町に見る
医療費助成制度
 少子高齢化を重要な課題として取り上げ、いろいろな対策が検討されている昨今ですが、笠松町では独自の医療費助成制度を導入して成果をあげています。0歳児を対象とした乳幼児医療制度のスタートから、94年度より小学校就学前まで、次いで96年度より小学卒業まで、そして今年は中学卒業までに拡大して独自の助成制度の展開を図っています。

 現在、全国的には3歳未満までの助成が主流となっていますが、子供は3歳を過ぎてから感染症などの病気になる頻度が高く、現行の助成制度では不合理ともいえ対象年齢の拡大が強く要望されています。ちなみに笠松町での助成費は町予算の1.3%程度で可能となっていて、助成枠の拡大で早期受診・治療がきいて一件当たりの助成費は減少しているとのこと。

 あわせて子育て支援センターの設置や一時保育・保育時間延長等によって、若い世帯の人口増が見られ出生率も増加傾向にあにあるとのデーターが示されています。安心して子供を生み育てる環境整備のためにも、1日も早い国の制度としての確立を望みたいものです。

いむた小児科は久留米市諏訪野町です