◆99年 2月(NO.40)
 
おもらしと夜尿症
 2歳前後頃になると膀胱も大きくなり、尿が溜まる機能がついておしっこの間隔も開いてきます。よその子が早くオムツが取れたりすると、ついしつけも厳しくなりがちですが、個人差もありますので自然に身につくまでゆとりをもって接してください。昼間のオムツが取れても4〜5歳くらいまでの間は、ときどき漏らしたり遊びに夢中でトイレに間に合わないこともよくあります。

 小学校でもたまに失敗しますが、病気や遠足その他でつかれたとき、水分の取り過ぎなど、次回のために子供の言い分を聞き勇気づけてやることが必要です。おもらしの原因には環境の変化、親子関係の不満、愛情不足などの精神的ストレスや神経障害、腎臓や膀胱の病気が考えられます。

 幼児期に多い原因のストレスには、厳しすぎるしつけや叱り過ぎなどがあげられます。また、下の子が生まれてお母さんに構ってもらえなくなった腹いせの場合もあります。病気の場合は膀胱炎や尿道炎・脊椎や泌尿器の障害、アデノイド・蟯虫症・神経発達の遅延などがあげられます。4〜5歳頃になっても夜間にたびたび漏らすことになれば、夜尿症として対策を考える必要も出てきます。どんなお漏らしかで環境によるものか、病気によるものかの検討がつきます。たとえば昼間だけか、夜間は寝てすぐか、夜中か、明け方か。尿の量が多いか少ないか、漏らした回数などです。また、家庭内や子供の環境に変わったことはないか。しつけや排尿について強制はなかったかなども考えてみてください。
 
予防接種Q&A(アレルギー体質ですが接種は大丈夫?)
 喘息やアトピー性皮膚炎の子どもさんはアレルギー素質が強く、予防接種をためらうお母さん方もあると思います。ワクチンによるアレルギー反応は、ワクチンに含まれる成分が関係します。

 たとえば卵と牛乳にアレルギーがあっても、ポリオの成分にはどちらも含まれていないので接種できます。はしかやインフルエンザは卵の細胞から作られるので、ひどい卵アレルギーのある人は接種前に検査をする場合もあります。アレルギー体質てもたいていの予防接種は受けることができます。心配してたくさんの人の意見を聞き、よけいに混乱してしまうよりも、かかりつけの先生に相談して正しい知識をつけることが大切です。
 
子供に急増インフルエンザの合併症
 インフルエンザ感染による老人の死亡記事が目立つ今冬ですが、子供の合併症の増加も重大です。特に幼児の場合は死亡を免れても脳性マヒなどの後遺症が残る恐れがあり、細心の注意が必要です。インフルエンザ脳炎・脳症は、ウィルスや細菌の感染で起こる急性脳症の一種で1〜3歳頃の幼児に多いのが特徴です。高い熱が出て意識障害やけいれんに至るまでの進行が早く、早期受診・早期治療を心掛ける必要があります。

 厚生省が昨年7月に全国の小児科医を集めて開いた、インフルエンザ脳炎・脳症の研究会では、脳炎・脳症の患者の7割以上が4歳以下の子供で、全国で600〜800人の小児が発症、100〜200人が死亡したとの推計をまとめています。この合併症の原因はまだ分からないことが多く、今冬から日本医師会の協力を得て全国の実態調査があるそうです。

いむた小児科は久留米市諏訪野町です