◆99年 3月(NO.41)
 
乳幼児の脱水
 毎年、冬になると乳幼児に嘔吐と下痢が1週間程続く病気が流行します。これは主にロタウィルスやアデノウィルスが原因する(乳幼児嘔吐下痢症)で、乳幼児が最も脱水症を起こしやすい疾患のひとつです。まだ未熟な乳幼児の胃と腸は、大人と違ってまっすぐにつながっています。そのため、このようなウィルスに感染すると嘔吐や下痢の症状がおきやすく、体力に余力がないのですぐ脱水症になってしまいます。

 乳幼児の脱水は重症になると命にかかわることがあるので油断は禁物です。吐いたものが喉に詰まって窒息したり、気管に入って肺炎を起こす場合があるので、吐き気のあるときは横向きに寝かせてやる配慮も必要です。また、背中を軽く叩いてやると吐きやすく楽になります。

 脱水症状が激しいときは点滴で輸液を補充しますが、家庭では口から飲んで効果のある、経口補液(乳幼児イオン飲料)の備えも必要です。脱水症の予防に有効なこの飲料には、ナトリウム・カリウム・糖分などが、失った消化液と同じ組成比率ではいっています。白湯や番茶などの水分だけでは、塩分欠乏型の脱水症になる場合もあるので注意が必要です。

 吐き気が強いときは薬でおさえて、落ち着いてからイオン飲料を飲ませます。その後スープやみそ汁などの塩分の入ったものを少し取らせるとより効果があります。下痢の改善治療には腸の負担を少なくして水分を補給することが大切です。昔から『お粥』を食べるのは、消化吸収がよくて水分の多い炭水化物の食品で、下痢のときには適した食べ物だからです。味がなくてまずいなんて言わないでしっかり補給してください。
 
予防接種Q&A(公費で受けられる接種は)
 各市町村によって内容が違いますので、転勤で久留米に来られた方などは特に分かりづらいと思います。久留米市では4月に子どもの予防接種と健診の案内が、市政だより一緒に各家庭に配布されます。公費で受けられるのはポリオ・ツ反/BCGが集団接種、三混・二混・麻疹・風疹・日脳が個別接種(かかりつけ医で可)です。

 対象年齢や個別接種の時期や場所は、院内パンフレットおよび情報誌でもお知らせしていますので参考にしてください。 予防接種は接種の実施時期・対象年齢・望ましい時期などを考慮して計画的に受ける必要があります。予め予防接種のスケジュール表を作っておくと、うっかり忘れもなく便利です。

いむた小児科は久留米市諏訪野町です