◆99年 4月(NO.42)
 
油断は禁物小児の結核
 戦後長く続いてきた予防接種(BCG)の実施で、現在ではほとんど目立たなくまりました。でも、結核がなくなったわけではなく、今でも怖い感染症です。結核は無自覚・無症状のうちに病気が進行し、自覚症状が出てからではかなり重症化していることが多く、早めの検査確認が必要です。

 年間の発病者数は4万人以上で、死者数は3千人程度で推移していますが、近年すべての年齢で増加がみられるとのことです。重症になりやすいのは体力の低下した高齢者と免疫力のない乳幼児です。結核の怖さを知って予防を心掛けてください。

 小児結核の感染源の大半は家庭内感染で、家族の安易な認識も一因といわれます。小児の場合は2歳までは免疫ができにくく、結核に最も弱い時期と言えます。年齢が低いほど初期感染の病気の進行が早く、余病を併発して重症になりやすいので十分な注意が必要です。肺のつけ根の肺門リンパ節が最も結核菌に犯されやすく、子供に多い結核症(肺門リンパ節結核)となっています。

 自覚症状は少なく、レントゲンで初めて分かることも多く、小児科でのレントゲンも不可欠です。また、BCG接種をしていないのに、ツベルクリン反応検査が陽性になることがあります。2歳児のツベルクリン反応陽性者は約2%くらいといわれますが、これらの人がすべて結核に感染しているわけではなく、再検査で約半数の人が陰性になるようです。もし再検査で感染が確認されたら、発病をしっかり予防するために予防薬の服用と定期的なレントゲン検査が必要です。
 
予防接種Q&A(ポリオってどんな病気)
 ポリオ(急性灰白髄炎)、一般に小児マヒと言われている病気です。この病気はウィルスによる急性伝染病で、発病した一部の人に手足のマヒが残ります。ワクチンの普及で患者数は激減しましたが、途上国ではなお流行が見られます。ポリオウィルスは侵入して腸に入るため、腸の粘膜に抗体を作り侵入したウィルスを撃退する必要があります。

 ワクチンを経口投与するのは、腸に直接届いてきく効率が良いからです。また、3種類のウィルスに対する免疫をつけるため2回以上飲む必要があります。発病した場合、手足のマヒが現れる前に診断をつけることは困難で、生ワクチンの服用による予防が不可欠です。ポリオワクチンは春と秋の2回、集団接種で行われます。望ましい時期は、生後3ケ月〜1歳6ケ月までに6週間以上間をあけて2回飲んでください。

いむた小児科は久留米市諏訪野町です