◆99年 5月(NO.43)
 
喘息発作
 近年、子どもの喘息患者は増加の一途をたどっています。原因はダニや花粉・大気汚染・食生活の変化・ストレスなど、いろいろな要因が重なっているようです。小児の喘息は大半が思春期頃になれば治りますが、それまでは喘息発作が軽いうちに気付いて早めの治療と予防が必要です。喘息のほとんどはアレルギー性によるもので、症状が繰り返します。その場かぎりでなく忍耐強く治療してください。
 喘息発作の症状にはその程度により、小発作・中発作・大発作に分けられます。子供さんの発作の程度がどのくらいなのかを知って、家庭でのケアに備えることも大切でです。
 酸素不足や呼吸困難の症状が出た場合は、症状を電話してすぐ来院してください。軽い発作のときは、呼吸の楽な姿勢で水を飲ませて痰をきれやすくします。締め切った部屋であれば窓を開けて、ゆっくり大きく呼吸させると楽になってきます。
 酸素不足や呼吸困難の場合は、いろいろな症状が現れます。チアノーゼ(酸素不足によるもので、唇や爪の色が悪い)・意識を失ったり、ケイレンが起こる(酸素不足と二酸化炭素の蓄積)・おしっこをもらす(呼吸困難の程度がひどい)・ゼィゼィ・ヒューヒューが急に止まる(気管の詰まり)など、いづれの場合も命に危険が及ぶ場合もありますので、この様な症状が出る前に早めに受診してください。
 
予防接種Q&A(BCGの副反応は)
 BCGの接種後ごくまれに、脇の下のリンパ節が腫れる人がありますが、腫れはさほど大きくはありません。遅くとも2〜3ケ月程で自然に解消してきます。また、接種後2〜3週間すると接種した後に赤いポツポツができて化膿したようになります。これは免疫がついた証拠です。やがてかさぶたになって治ってきますので、接種のあとを清潔に保ってください。じくじくの程度がひどかったり、ながびくようでしたら別の病気になっている可能性もあります。一度受診して相談してください。
 
少子化に思い切った財政支援を!
 少子化が叫ばれて久しい。終身雇用の崩壊にリストラ先行の日本経済。進学率が進む中で教育費負担になるが、学習塾を頼りにせざるを得ない義務教育制度。どれを見ても若い人たちが将来に不安をもたずに、子育てができる環境とは言いがたい。高齢者に対する施策に比較して、お粗末すぎる子供たちへの配慮である。将来の社会を支えるのは今の子供たち。安心して子供たちを生み育てるための環境整備、無料保育所・子供の医療費補助拡大・児童手当の拡充・教育費の公的負担など、思い切った財政支援が望まれます。

いむた小児科は久留米市諏訪野町です