◆99年 7月(NO.45)
 
風 疹
 風疹は春から夏にかけて小児期の子供を中心に不規則に流行します。潜伏期間は2〜3週間とされ、はしかに似た発疹・発熱・リンパ節腫張などの症状があります。その他、頭痛・咳・咽頭痛・充血などの風邪症状も見られ、数日で治る為『三日はしか』とも呼ばれています。

 風疹がやっかいなのは先天性風疹症候群で、妊娠初期のお母さんが感染すると、生まれてくる赤ちゃんに難聴や白内障・心臓疾患などの異常が出る恐れがあることです。また、大人になって罹るとまれに重症になる人もあるので、子供の頃にしっかりと免疫をつけておく必要があります。風疹は他のウィルス性疾患と同じように予防が重要です。

 予防接種は風疹ウィルスに感染したときの発病予防に他に、妊婦への感染を少なくして生まれてくる赤ちゃんへの影響を少なくする目的があります。合併症や先天性風疹症候群を考えて、予防接種は必ず受けてください。以前の接種は中学女子を対象に定期の予防接種が行われていましたが、平成6年の予防接種法改正で、生後1年から男女の区別なく接種されるようになりました。現在の中学生の接種は平成15年で終了します。
 
<風疹ワクチンの接種>
 風疹ワクチンは弱毒化している生ワクチンです。1度の接種で96%以上の人が免疫を得ることが出来ます。最も望ましい接種の時期は生後12〜36月ですが、生後12〜90月未満と中学2年生は無料です。接種後にまれに軽い発熱や発疹などの症状がでることがありますが、思い副反応はまずありません。子供たちの将来のためにぜひ受けてください。
 
予防接種Q&A(副反応のリスク)
 予防接種は重大な感染症から身を守る最も有効な方法ですが、「ぜったい安全」とはっきり答えることは出来ません。接種をしなければ副反応もありませんが、いろいろな感染症に罹ったときのリスクを考えて接種を勧めているのです。一般的な副反応は軽い発熱やじんま疹、注射の後が腫れるなどですが、一時的なもので心配ありません。

 また、アレルギーのある人は種類によっては、反応が出やすい場合もありますので、問診の際に体調の善し悪しなどを詳しく話してください。接種後に待合室で30分程度様子を見てもらうのも、注射によるショックが起こった場合、すぐ処置をして被害を最小限にするためです。万一、予防接種で健康被害が起きたときは、法律による救済制度があります。国が医療費の他に障害に応じて年金や介護手当てを支払うことになります。

いむた小児科は久留米市諏訪野町です