◆99年10月(NO.48)
 
子供の虐待
 親の子供に対する虐待行為が増加しています。虐待の法的定義は存在しませんが、具体的には身体的暴力・養育の拒否や放置・心理的虐待・性的暴力がそれにあたります。赤ちゃんの泣き声にイライラしてせっかんする人、自分が一日一食だからと赤ちゃんにも一回しかミルクを与えない人、熱が続く子を病院に連れて行かない人など内容は様々です。

 97年度に児童相談所に寄せられたものだけで、5千件を越えました。実際の数は表面に現れる10倍と言いますが、どこからが虐待なのか把握の困難さもあり裾野は広いようです。 虐待は状況によっては誰にでも起こりうることなのです。例えば育児ノイローゼや親の育った環境などで、自覚的に虐待行為を防止出来ない場合があります。

 頭では判っていても、カッとして叩いたりせっかんしたりするのは、20代〜30代のお母さんに多いとの報告があります。親は虐待に対する十分な認識のうえに、常に自分の行為に対する反省を心掛けることが必要です。子供はそれぞれの年代に応じて、自律・自立の芽生えを示す反抗期があります。この時期こそしつけのチャンスでもありピンチでもあるのです。

 親は子供の反抗する心の内容と質を見抜き、ときには厳しく怒り、育て育てられる寛容な心が大切です。また、子供は両親の個人的存在であると共に、社会的存在でもあります。親が自覚的防止が出来ない場合は、家族や社会(国)で子供を守る必要があるでしょう。みんなで子供を育てるという気持ちが大切ではないでしょうか。
虐待行為の発見者には福祉事務所や児童相談所に通告の義務がある。
(児童福祉法25条)
 
予防接種Q&A(勧奨接種と任意接種)
 94年の予防接種法改正前は、全員が受けなければならない「義務」でした。現在は、ある年齢になったら(定期接種)ぜひ受けるように、国が強く勧める接種(勧奨接種)となっています。

 勧奨接種は自然感染すると重症になりやすい、後遺症を残す、などの社会的損失が大きいものが対象となっています。接種の期間内は公費負担となり無料です。その他は任意接種となり、流行や希望に応じて自分や親の意思で受ける予防接種です。費用はすべて自費になります。
☆勧奨接種:BCG・ポリオ・百日咳・ジフテリア・破傷風・風疹・日本脳炎
☆任意接種:おたふく風邪・水ぼうそう・インフルエンザ・B型肝炎
 
食生活大丈夫ですか
 流通の変化、食品加工や保存技術の進歩で家庭の食卓に並ぶ料理も、時代と共に変わっています。食材に季節感がなくなるほど、いつでも手に入る豊富な材料。反面、生活の忙しさで、スーパーなどの惣菜コーナーは活況を呈しています。これからの子供たちは『お母さんの手作り料理で好きなものは何』と聞かれたとき、答えられない時代が来るのかも知れません。

 今、朝食を一人で食べたり、食べずに保育園や学校に行く子供たちが増えていることが危惧されています。先日の新聞にあった福岡の保育園児の調査でも、約2〜3割の子供たちが朝食を食べない日が多いとありました。また、飽食ゆえに自分の好きなものしか食べない偏った食事で、栄養のバランスも崩れています。

 現在、日本では食べ残しによる残飯ゴミが年間約340万トン出ているのをしっていますか。食べたくなかったら平気で残して残飯にする習慣。これも生活習慣病?のひとつでしょうか。毎日の食生活は健康の基本です。家庭で食生活の基本ルールを決めてしっかり食べてください。

いむた小児科は久留米市諏訪野町です