◆99年12月(NO.50)
 
子どもの皮膚トラブル
 成長期にある子どもの頃は、体質的に皮膚トラブルが発生しやすい時期です。生後2〜3ケ月頃までの赤ちゃんは、お母さんからもらったホルモンの影響で、皮膚に脂肪が多く分泌します。放っておくと汚れが肌に溜まりやすくなって、皮膚トラブルの原因になります。

 また、生後6〜7ケ月頃から思春期前までは、大人と比べて脂肪の分泌が少なく、皮膚が乾燥しやすくなります。この時期は冬場に肌がカサカサになったり、しもやけや湿疹を作ったりもします。その他、栄養状態が悪い場合も皮膚(肌)はこまめなスキンケアが必要です。
 脂肪の分泌が多い時期は、油が髪の毛にこびりついて黄色いかさぶたのようになることがあります。少ないときは毎日のお風呂だけで治りますが、ひどいときはオリーブ油を塗ってふやけさせてから、お風呂で洗い流すとよいでしょう。冬はあまり汚れないので、お尻や脇の下を軽く石鹸をはたく程度に、後は湯船で遊びながら汗を流しましょう。皮膚がただれているときは薬(軟膏)も使います。心配なときはご相談ください。
 子どもの大半はアトピー性皮膚炎の素因を持っています。原因は体質的(食物・ダニ)アレルギーや、汗やほこり・肌の乾燥などが起因して起こり、放っておくと慢性化することになります。冬は肌が乾燥して間接部や手首・足首などがカサカサになりやすい時期です。痒いので引っ掻いて傷をつくり、湿疹や化膿を繰り返すことになりますので、保湿剤で補うことも必要です。場合によっては化膿止めや抗生剤が必要です。疑問があったら必ず受診してください。皮膚トラブルを放っておくと、症状が悪化して治りにくくなります。予防を心掛けて必要な治療とケアで対応しましょう。
 
小児のくすり(解熱剤)
 これからインフルエンザなどが流行すると、高い熱を出す人が増えてきます。熱が出るのは体が病気と戦っているからで、熱自体は悪者ではありませんので、多少熱があっても元気で食欲があれば使う必要はありません。しかし熱が38〜39℃以上と高く、ケイレンを起こす恐れがあったり、熱でグッタリしている状態のときなどは解熱剤を使います。

 解熱剤は発熱の原因を取り除くものではありませんが、つらい状態を一時的に和らげて体力の回復を手助けします。小児の解熱剤は坐薬が主流で、痛みや炎症を抑えたりケイレンを予防するなど、症状や目的によりくすりを使いわけます。解熱剤(アンヒバ・アルピニー・ユニプロン)ケイレン予防剤(ダイアップ)などがありますが、ダイアップを使ったら30分以上時間をあけてから解熱剤を使います。また、解熱剤は体重10・で100・が目安です。処方の指示を守って正しく使ってください。

いむた小児科は久留米市諏訪野町です